フェーズⅡ 課題解決の取組み(実施期間 2009年9月~10月)

 

1.課題とその解決策
①検査部品の外観色に影響されない検査方法の考案
 画像処理解析方法とメカニカルセンサーの組合せにより、部品の検査を行う方法を確立する。特に黒色のコントラストの無い部品でも計測で出来る装置を目指した。
 このシステムに付いて特許を出願した。

開発四方山(よもやま)話
ヒントは、営業マンのほんの一言。
当初、黒色の物はコントラストが無い為、画像として捕らえ計測判別することは難しく、他のアイディアを模索していた。そんな時、社内の打合せの中の話で、おもちゃの機構からヒントを得て今のメカニカル機構を考案した。設計者からすると何気ない話からアイディアが生まれ問題が解決できた棚からぼた餅的な出来事だった。

開発四方山(よもやま)話
お客様もびっくり。設計者も製作した甲斐がある。
製品として納めた時、お客様からの一言が「こんな方法になるとは思っていなかった」。思わぬ方法で実現できたことに驚き、担当者から「有難う御座いました」と言葉を頂いた。設計者としては、設計した甲斐があり価値(存在)を認めてもらえ非常にうれしい経験であった。

②温度変化に対する精度補償の方法を考案
 低膨張を特徴とした材料(インバー材)使用し実現する。

開発四方山(よもやま)話
画像を撮像するユニットの取付け構成が、構造的に軸上のパーツで構成した為、軸方向には強度的に強いが、横方向は振動に弱い構造になってしまった。想定外と言いたいところだが、設計者からすると想定内で、私のポカミスであった。
対策は、バンパーを入れて振動を減衰させることで測定に影響のないところまで出来た。

③振動による検査精度への影響
 構造解析(FEM)を使い設計時に検証。振動の影響を実機で振動計を使って計測分析し設計にフィードバック検証する。

④CCDカメラに使うレンズの精度が与える計測結果への影響
 CCDカメラに使用するカメラレンズの性能が目指す精度にどの程度影響するか光学シミュレーションソフトと光学ベンチを使って検証する。

⑤検査装置の検査精度の信頼性は何処までか
 社内の量産品を使って計測結果の変位を長期間データ取りし観測する。経年変化、劣化など計測精度に与える影響をみて、更なる精度アップと測定精度の信頼性を確保する。

開発四方山(よもやま)話
長期間使用していると思わぬことが見えてきます。設計者は、自分で設計した物に自信を持っています。不具合が起こらぬよう調整した検査機を監視し、良いことばかり創造して見守ります。しかし、中々そうはいかず裏切られることが常です。
現在テスト中です。何も起こらぬように・・・。
何か進展がありましたらこの場で報告します。

⑥検査装置の精度校正の方法
 検査部品の種類毎、基準ゲージを用意し装置の校正を行う。


某部品メーカー向け製作経過&変遷